マジでふつうのブログ

ふつうのブログです。食べたごはんの話とかを書く可能性があります。

愛について

f:id:ripple_chan:20180213181725j:image
「愛ってなに?」と聞いて10代の女の子の口からこぼれてくるのはLINEと容量制限の話。20代だと携帯電話の話になって、もっと上の世代に聞いたらポケットベルや公衆電話が出てくるんでしょうか。わかりません。共通して言えるのは不在の話ということ、それも連続性のある不在の話です。
わたしが愛についておぼえていることは、玄関の鉄の扉がゆっくり開いて閉まるまでの数秒と、しわになったシーツにうつる午後の日差しとカーテンの影。
もともと名前のなかった不定形の命が、この世に生まれて外気にさらされて名前をつけられて、もういちど別の名前をもつ誰かと溶け合ってひとつになって名前のなかった何かにもどる。そのあともう一度、名前のついた別々の命に分かれる。それら一連のプロセスの中で、わたしにとって分かれたあとの部分が愛だな、ということが最近やっとわかってきました。
恋人の電話番号や住所がそらで言えることや、ジャーの中で保温された白米をひとりぶんだけ残してよそう時。どちらかというとまやかしというか、客観的な事実の蓄積ではなく、事実よりも美しい仮定の連続が近いと思います。
例えばわたしは身体の具合がどうにも悪いと30分6000円のマッサージに行くのですが、施術を受けている間はまるで体中の不調が零れ落ちて、何の悩みのない人間になったように思うのに、次の日にはきれいさっぱり元通り肩の筋肉がガチガチになっている。わたしが払った6000円はどこへ?そんなの対象が筋肉のピンサロじゃん、なんて思うのですが。まあ、ピンサロみたいなものだと思えばいいか。ピンサロです。愛も同じです。